河口や運河の身近な魚。夏から秋にかけて数釣りが楽しめ、子どもでも釣りやすい魚です。 最盛期:夏〜秋。掲載している釣り場で最も期待できるのは8月です。

目次:マハゼという魚・ハゼ釣りの季節の流れ・釣り場:河口・運河・岸壁・延べ竿の探り釣りとちょい投げ・エサの選び方と付け方・潮の干満とハゼの動き・よくある失敗・安全とマナー・仕掛け・月別・釣り場・よくある質問
釣りの対象として「ハゼ」と呼ばれるのは、主にハゼ科のマハゼ(学名 Acanthogobius flavimanus)です。河口や内湾の砂泥底にすむ魚で、海水と淡水が混じる汽水域を好み、川の下流部や運河、港の奥の浅場によく見られます。頭が大きく、目が頭の上のほうについていて、腹びれが吸盤のような形になっているのが特徴です。多くは一年で一生を終える「年魚」で、春に生まれた稚魚が夏に5cm前後のデキハゼとなり、秋には15cmを超える大きさまで育ちます。冬になると産卵のために深場へ移り、この時期のハゼは「落ちハゼ」と呼ばれます。エサに対する反応がよく、初心者や子どもでも当たりを感じやすいことから、昔から江戸前の身近な釣りとして親しまれてきました。天ぷらや甘露煮にすると美味しく、釣って楽しく食べて美味しい魚として人気があります。
関東では、梅雨明けごろからデキハゼが河口や運河の浅場で釣れ始め、お盆を過ぎるころには数釣りのシーズンに入ります。秋の彼岸前後になると10cmを超える個体が増え、釣り人のあいだでは「彼岸ハゼ」と呼ばれて好まれます。晩秋から冬にかけては型のよいハゼが深場に移るため、ちょい投げやボートからの釣りで狙う形になります。関西や東海の河口域でも、おおむね夏から秋が最盛期という流れは変わりませんが、地域によって浅場から深場への移動の時期が少しずれます。東北や北陸など寒い地域では、暖かい時期が短い分シーズンもやや短くなる傾向があります。一方、九州などの温暖な地域では秋以降も比較的長く浅場で釣れることがあります。いずれの地域でも、水温が下がる晩秋を境にハゼは深い場所へ移動するので、季節に合わせて探る水深を変えていくことが釣果を伸ばすポイントです。
ハゼ釣りの定番は、河口の干潟に面した護岸や、都市部の運河沿いの岸壁、港の奥にある浅い船だまりです。砂泥底で水深が浅く、潮の干満で水が入れ替わる場所にハゼは集まります。護岸の足元に階段状の敷石がある場所では、その切れ目や角に群れがたまりやすく、延べ竿で足元を探るだけで次々と釣れることもあります。干潟では、潮が引いたときに見える澪筋(みおすじ)と呼ばれる水の通り道が、潮が満ちてきたときの好ポイントになります。当サイトの掲載地点では、東京都の若洲海浜公園の公式な魚種一覧にマハゼが載り、千葉県の木更津沖堤防や愛知県の新舞子マリンパークでもハゼが挙げられています。河口の護岸には立入禁止区域や漁業権が設定された場所もあるので、現地の表示と自治体の案内を確認してから竿を出しましょう。
ハゼ釣りには、延べ竿で足元を探る方法と、リール竿で少し沖に投げるちょい投げの二つの方法があります。夏のデキハゼは岸際の浅場にいるので、2.7〜3.6mほどの延べ竿に軽いオモリとハゼ針を付け、足元から竿の届く範囲を少しずつ移動しながら探るのが効率的です。オモリが底に着いたら、道糸を張ったまま竿先を少し持ち上げて、ゆっくり下ろす動作を繰り返すと、ハゼがエサに気づいて寄ってきます。秋になって群れが少し沖に移ると、ちょい投げが有利になります。ジェット天秤や片天秤に仕掛けを付けて投げ、底をゆっくりと引きずりながら、ときどき止めて食わせる間を作ります。当たりは「ブルッ」という小さな振動で出ることが多く、軽く竿を立てれば掛かります。最近は小型のクランクベイトで底を叩くように引く「ハゼクラ」というルアー釣りも人気です。
ハゼ釣りのエサは、アオイソメ(青イソメ)やジャリメ(イシゴカイ)などの虫エサが基本です。アオイソメは1cm前後に短く切って針に刺し、針先を少しだけ出しておくと掛かりがよくなります。ジャリメは細いので、小さなデキハゼにも吸い込まれやすく、夏の数釣りに向いています。虫エサが苦手な人には、ホタテの貝柱や魚肉ソーセージを小さく切って使う方法もあり、食いは虫エサにやや劣るものの、家族での釣りでは手軽な選択肢です。市販の人工エサも、ハゼ釣り用として虫エサに似せたものが売られています。ハゼはエサを丸ごと吸い込んで食べるので、エサが大きすぎると口に入らず、当たりがあっても掛からない原因になります。釣れるハゼの大きさに合わせてエサの長さを調整し、夏は小さく、秋は少し大きめにすると効率がよくなります。
ハゼ釣りでは、潮の干満が釣果に大きく影響します。上げ潮で水位が上がると、ハゼは岸際の浅場に寄ってきてエサを探すため、満潮に向かう時間帯が最も釣りやすいとされています。逆に下げ潮では、ハゼは水の引く方向に移動して澪筋などの深みにたまるので、その場所を狙うと効率よく釣れます。干潮の前後で潮が止まっている時間は当たりが遠のくことが多いので、この時間に休憩や場所移動をするのもよい方法です。このサイトの潮見表で満潮と干潮の時刻を確認し、上げ潮の時間に合わせて釣り場に着くように計画しましょう。大潮の日は潮の動きが大きく、ハゼの移動も活発になりますが、干潟や浅い護岸では水位の変化が激しいので足元に注意が必要です。雨のあとで川の水が増えて濁ると、ハゼが一時的に岸寄りに避難してくることもあります。
ハゼ釣りで釣果が伸びない原因の多くは、同じ場所に留まりすぎることです。ハゼは群れで集まっていても、しばらく釣るとその場所の数が減るので、当たりが遠のいたら数メートルずつ移動して新しい群れを探しましょう。オモリが重すぎるとハゼが違和感を覚えてエサを離すことがあるので、底が取れる範囲でできるだけ軽いオモリを使うのが基本です。また、当たりに対して早く合わせすぎると、ハゼがエサを吸い込む前に針が抜けてしまうことがあります。「ブルブル」と感じたら一呼吸置いて、竿を軽く立てるくらいがちょうどよいタイミングです。仕掛けが底から浮いていると、底にいるハゼの目にエサが入らないので、常にオモリが底に着いている状態を保ってください。夏の暑い日には、釣り人自身の熱中症対策も忘れずに行いましょう。
河口や運河の護岸は、足元が濡れていたり藻が付いていたりして滑りやすい場所が多いので、滑りにくい靴を履き、ライフジャケットを着けて釣りをしましょう。子ども連れの場合は、目を離さないことが何よりも大切です。河口域は海と川の境目にあたり、場所によって海の漁業調整規則と内水面の規則のどちらが適用されるかが異なることがあります。川の区域では漁協が遊漁券を発行している場合もあるので、釣りに行く前に都道府県や漁協の案内で確認してください。大きさや尾数の制限があるかどうかも地域ごとの規則で決まるため、県の漁業調整規則や漁業権の設定を確かめてから釣りを楽しんでください。また、公園や護岸では、周辺の住民や散歩をする人の迷惑にならないよう、ゴミやエサの残りを必ず持ち帰りましょう。釣ったハゼを持ち帰る際は、エアーポンプ付きのバケツか、氷を入れたクーラーボックスで鮮度を保つと美味しく食べられます。
| 場面 | 仕掛け | 理由 |
|---|---|---|
| 夏の岸際(延べ竿の探り釣り) | 延べ竿 2.7〜3.6m、道糸ナイロン1号、中通しオモリ0.5〜1号またはガン玉2B〜3B、ハゼ針5〜6号(ハリス0.6〜0.8号) | 足元の浅場にいるデキハゼを、軽い仕掛けで違和感なく食わせられる |
| 秋の少し沖(ちょい投げ) | ルアーロッド 2.1〜2.4m、スピニングリール2000〜2500番、ナイロン2号、ジェット天秤5〜8号、ハゼ針7〜8号の2本針(ハリス1号) | 少し深場に移った型のよいハゼを、広い範囲から効率よく探せる |
| 晩秋の落ちハゼ(遠投) | ちょい投げ竿 2.7m前後、ナイロン2〜3号、天秤10〜15号、ハゼ針8〜9号の2本針、エサはアオイソメ | 水深のある澪筋や航路筋に移ったハゼに届き、大きめのエサで型を選べる |
| ハゼクラ(ルアー) | ライトゲームロッド 1.8〜2.1m、PE0.3〜0.4号、フロロリーダー1〜1.5号、小型クランクベイト3〜4cm | 底を叩くように引くと砂煙が立ち、好奇心の強いハゼが反応しやすい |
各釣り場のページの「今日の釣り」は、季節の水温の目安に合わせてこの中から釣り方を選んでいます。
浅場に群れています。軽い仕掛けで足元の底をこまめに探りましょう。
シーズン本番です。ちょい投げで広く探り、当たりの多い場所を見つけます。
型が良くなり、少し深場に移ります。ちょい投げで沖目を探ります。
深場に落ち、岸からは難しくなります。
1=低調、5=最盛期。本州の太平洋側・瀬戸内を基準にした一般的な傾向で、今月を強調しています。サイズや尾数の制限、禁漁期間は都道府県の漁業調整規則と施設のルールをご確認ください。
掲載している13か所の釣り場でハゼを対象魚にしています。各ページで潮見表と気象庁の予報、今日の釣り指数を確認できます。
関東では夏から秋が中心で、梅雨明けごろからデキハゼが釣れ始め、秋の彼岸ごろには型がよくなります。晩秋から冬は深場へ移る落ちハゼを、ちょい投げで狙う釣りになります。
上げ潮で水位が上がる時間帯が狙い目です。ハゼが岸際の浅場に寄ってくるので、延べ竿でも届く距離で当たりが増えます。潮見表で満潮の時刻を確認し、その数時間前から竿を出すと効率的です。
夏の岸際なら延べ竿に軽いオモリとハゼ針5〜6号の1本針が扱いやすいです。秋に少し沖を探るなら、ジェット天秤5〜8号とハゼ針7〜8号のちょい投げ仕掛けが向いています。
アオイソメかジャリメが基本です。アオイソメは1cm前後に切って使いましょう。虫エサが苦手な場合は、ホタテの貝柱や市販の人工エサでも釣れますが、食いは虫エサのほうが安定します。