河口や港湾、サーフに通年いる大型の肉食魚。ルアー釣りの人気ターゲットで、夜や濁りの入った日に強くなります。 最盛期:春と秋。掲載している釣り場で最も期待できるのは10月です。

目次:スズキという魚と呼び名・季節ごとのパターン・河口・港湾・サーフの釣り場・ルアー釣りとエサ釣り・ルアー選びと使い方・潮と時合い:下げ潮と明暗・よくある失敗・安全とルール・仕掛け・月別・釣り場・よくある質問
スズキ(学名 Lateolabrax japonicus)は、日本各地の沿岸や内湾、河口にすむ大型の肉食魚です。ルアー釣りの世界では「シーバス」と呼ばれることが多く、都市部の港湾でも狙えることから、身近な大物として人気があります。成長とともに呼び名が変わる出世魚としても知られ、関東では小さい順にセイゴ、フッコ、スズキ、関西ではセイゴ、ハネ、スズキと呼ぶのが一般的です。当サイトの掲載地点でも、東京都の若洲海浜公園の魚種一覧には「セイゴ・フッコ」と「スズキ」が、兵庫県の鳴尾浜海づり広場の情報には「セイゴ」「ハネ」「スズキ」が並んでおり、地域による呼び方の違いがよくわかります。スズキは海水と淡水が混じる汽水域にも平気で入り込み、エサを追って川をかなり上流までさかのぼることもあります。外洋の磯には近縁のヒラスズキがすみ、体高や尾の形で区別されます。
シーバス釣りは、季節ごとにエサとなる生き物(ベイト)が変わるのが特徴で、それに合わせた「パターン」で釣りを組み立てます。春は、ゴカイ類が産卵のために水中を泳ぎ出す「バチ抜け」が起こる地域があり、河口や運河でこれを食べるシーバスを狙うのが定番です。初夏から夏にかけては、イナッコと呼ばれるボラの幼魚や、ハゼ、エビ類などを追って、河口や港湾で活発に捕食します。秋はシーバスにとって最も重要な季節で、産卵を控えてエサを大量に食べる「荒食い」の時期になり、落ちアユやコノシロ、イワシなどの大きなベイトを追う大型の個体が狙えます。冬は産卵のために湾口や外海に面した深場へ移動する個体が多く、岸からの釣果は減りますが、港湾部に残る個体を夜に狙うことができます。地域によって季節の進み方は異なるので、各地点ページの釣果投稿も参考にしてください。
シーバスの代表的な釣り場は、河口、港湾の岸壁、運河、そしてサーフです。河口は、川から流れ出すベイトを待ち構えるシーバスが集まる一級の場所で、特に流れがぶつかって変化ができるところは狙い目です。港湾では、岸壁の際や、係留された船の影、橋脚の周りなどにシーバスが潜んでいます。夜は、常夜灯や橋の明かりが水面に作る明るい部分と暗い部分の境目、いわゆる「明暗」が最大のポイントになり、暗い側に潜んだシーバスが明るい側を通るベイトを狙っています。サーフでは、ベイトが岸寄りに入ってくる秋に、離岸流やかけあがりを探ってシーバスを狙います。当サイトの掲載地点では、川崎市の東扇島西公園や、大阪府のとっとパーク小島、兵庫県の尼崎市立魚つり公園、平磯海づり公園、神戸空港島の魚種情報にもスズキが載っています。
シーバスはルアー釣りの対象として特に人気があり、ミノー、シンキングペンシル、バイブレーション、ワームなど、さまざまなルアーで狙えます。ミノーは表層から中層をゆっくり引くのに向き、夜の明暗や河口の流れの中で使うのが基本です。シンキングペンシルは、流れに乗せて自然に漂わせる使い方が得意で、バチ抜けやイナッコのパターンで効果を発揮します。バイブレーションは遠投が効き、中層から底まで幅広く探れるので、日中や広い範囲を素早く探りたいときに便利です。エサ釣りでは、電気ウキの下にアオイソメや生きたエビを付けて夜の港湾を流すウキ釣りが一般的です。関西では、シラサエビを撒きながら同じエビをエサにしてハネやスズキを狙う「エビ撒き釣り」という伝統的な釣り方もあります。どちらの釣り方でも、ベイトの動きに合わせることが釣果を分けます。
シーバスのルアー選びで大切なのは、その時期のベイトの大きさと、泳いでいる深さに合わせることです。バチ抜けの時期は、細身のシンキングペンシルやスリムなミノーを、流れに乗せてゆっくり漂わせるように使います。イナッコやイワシを追っているときは、9〜12cm程度のミノーやシンキングペンシルで、ベイトの群れの周りを通すのが効果的です。秋のコノシロパターンなど、大きなベイトを追っている時期には、14cmを超える大型のルアーが有効になることもあります。カラーは、夜や濁りのある日はチャートやパール、ホワイトなどの目立つ色、日中や澄んだ水ではイワシなどに似たナチュラルな色が基本です。ルアーの動かし方は、基本的にはただ巻きで十分で、巻く速度を変えるだけでも反応が変わります。同じコースを何度も通すより、角度や深さを変えて探ることを意識しましょう。
シーバス釣りで特に重要なのは、潮の流れと時間帯です。河口では、下げ潮で川の流れと潮の流れが同じ方向になると流れが強まり、川からベイトが流されてくるため、シーバスの捕食が活発になります。このサイトの潮見表で満潮と干潮の時刻を確認し、下げ潮の時間帯に合わせて釣り場に入るのが効果的です。港湾では、潮が動き始めるタイミングや、潮の流れが明暗の境目を通る時間に時合いが来やすくなります。時間帯では、朝まづめと夕まづめ、そして夜が中心で、シーバスは暗い時間帯に警戒心が薄れて岸寄りに入ってきます。雨のあとで川の水が増えて濁りが入ると、シーバスの警戒心が弱まり、日中でも釣れることがあります。ただし、増水が激しいときは危険なので、無理をせず安全な場所で釣りをしましょう。
シーバス釣りでよくある失敗は、掛かったあとに魚がジャンプして首を振り、針が外れてしまう「エラ洗い」です。シーバスがジャンプしそうになったら、竿先を下げてラインのテンションを保ち、跳ねる力を逃がすようにしましょう。また、ドラグをきつく締めすぎると、強い引きでラインが切れたり、口が切れたりすることがあるので、適度な強さに調整しておくことが大切です。夜の釣りでは、水面をライトで照らすとシーバスが警戒して逃げてしまうので、ライトは足元だけを照らし、水面には向けないようにしてください。岸壁の上を歩く足音も魚に伝わるので、静かに移動することを心がけましょう。同じルアーを同じコースで何度も通すと、シーバスが見切ってしまうことがあるので、反応がなければルアーや引き方を変えてみてください。
シーバス釣りは夜の河口や港湾で行うことが多いため、安全対策が欠かせません。ライフジャケットを必ず着用し、足元を照らすヘッドライトと予備の電池を持っていきましょう。河口では、潮の満ち引きや川の増水で急に水位が変わることがあり、干潮時に歩いて入った場所が満潮で戻れなくなる危険があります。ウェーディング(水に立ち込む釣り)をする場合は、事前に地形と潮の時刻を確認し、無理な立ち込みは避けてください。港湾の岸壁には、立入禁止や釣り禁止の場所も多いので、表示に従うことが大前提です。河口域は、海の漁業調整規則と内水面の規則のどちらが適用されるかが場所によって異なり、川の区域では遊漁券が必要な場合もあります。スズキの大きさや採捕に関する制限の有無も含めて、釣りに行く都道府県の規則と漁協の案内を事前に確認してください。
| 場面 | 仕掛け | 理由 |
|---|---|---|
| 夜の港湾・河口の明暗 | シーバスロッド約2.6〜2.9m、スピニングリール3000番、PE1〜1.2号、フロロリーダー4〜5号、ミノー9〜12cm・シンキングペンシル | 明暗の境目や流れの中を、ベイトに似せたルアーでゆっくり自然に通せる |
| 秋のサーフ・広い河口 | シーバスロッド約3〜3.3m、リール4000番、PE1.2〜1.5号、リーダー5〜6号、メタルジグ28〜40g・ヘビーシンキングペンシル | 長いロッドと重いルアーで遠投し、沖のかけあがりやベイトの群れまで届く |
| 日中の港湾・広範囲の探り | シーバスロッド約2.6〜2.9m、PE1号、リーダー4号、バイブレーション(鉄板系を含む)20〜26g | 遠投が効き、中層から底まで素早く探れるので、日中に散ったシーバスを効率よく探せる |
| バチ抜けの時期 | 同じタックルで、細身のシンキングペンシル9〜12cm、またはスリムなミノー | 流れに乗って漂うゴカイ類の動きに似せられ、バチを偏食するシーバスに効く |
| 夜の港湾のウキ釣り | 磯竿2〜3号 4.5〜5.3m、道糸ナイロン3〜4号、電気ウキ2〜3号、ハリス3〜4号、スズキ針13〜15号、エサはアオイソメまたは生きエビ | ルアーに反応しにくい日でも、生きたエサを自然に流して食わせられる |
各釣り場のページの「今日の釣り」は、季節の水温の目安に合わせてこの中から釣り方を選んでいます。
日中は深場や流れの効く場所に潜みます。夜の常夜灯周りや明暗部をルアーで狙います。
ベイトの動きに合わせて、河口や港の流れの変化を探ります。
秋のハイシーズンです。ベイトが接岸する河口やサーフで、ミノーやバイブレーションを通しましょう。
産卵で沖に出る個体が多く、岸では数が減ります。港湾部の居残りを夜にじっくり狙います。
1=低調、5=最盛期。本州の太平洋側・瀬戸内を基準にした一般的な傾向で、今月を強調しています。サイズや尾数の制限、禁漁期間は都道府県の漁業調整規則と施設のルールをご確認ください。
掲載している59か所の釣り場でスズキ(シーバス)を対象魚にしています。各ページで潮見表と気象庁の予報、今日の釣り指数を確認できます。
秋が最も重要な季節で、産卵前の荒食いで大型の個体が狙えます。春のバチ抜けや初夏のイナッコなど、季節ごとのベイトに合わせたパターンで一年を通して狙える魚です。
夜と朝まづめ、夕まづめが中心です。夜は常夜灯などの明暗の境目がポイントになります。河口では下げ潮の時間帯に流れが強まり、シーバスの捕食が活発になりやすいです。
同じ魚です。ルアー釣りの世界ではシーバスと呼ばれることが多く、成長によってセイゴ、フッコ(関西ではハネ)、スズキと呼び名が変わる出世魚でもあります。
9〜12cm程度のミノーとバイブレーションを一つずつ用意するのがおすすめです。ミノーは夜の明暗、バイブレーションは日中の広い範囲の探りに向いており、状況に応じて使い分けられます。
ジャンプしそうになったら竿先を下げ、ラインのテンションを保つことが大切です。ドラグを締めすぎないように調整し、強い首振りの力を逃がしましょう。