警戒心が強く、堤防や磯、河口に通年いる魚。春の乗っ込み期は大型が浅場に寄ります。 通年。春の乗っ込みと秋が好機。掲載している釣り場で最も期待できるのは5月です。

目次:クロダイの特徴と呼び名・季節ごとの狙い方・クロダイ・チヌの釣り場と掲載地点・フカセ・落とし込み・チニング・エサと撒き餌の使い方・潮位と時合いの読み方・よくある失敗・安全とルール・仕掛け・月別・釣り場・よくある質問
クロダイ(学名 Acanthopagrus schlegelii)は、タイ科に属する魚で、北海道の南部から九州まで、日本各地の沿岸にすんでいます。関西や西日本では「チヌ」と呼ばれることが多く、関東では成長によってチンチン、カイズ、クロダイと呼び名が変わる出世魚でもあります。黒っぽい銀色の体は、マダイとは違った渋い魅力があり、警戒心が強く賢い魚として、多くの釣り人を夢中にさせてきました。興味深いのは、若いうちはほとんどがオスで、成長とともに一部がメスに性転換するという性質を持っていることです。雑食性が強く、カニやエビ、貝類、フジツボ、イガイ(ムラサキイガイ)などを、頑丈な歯でかみ砕いて食べるほか、海藻や、ときには人が撒いたトウモロコシなども食べます。よく似たキビレは、腹びれや尻びれ、尾びれの下側が黄色いことで見分けられます。
クロダイは一年を通して狙える魚ですが、季節によって釣り方や狙う場所が変わります。春は産卵のために大型のクロダイが浅場に集まる「乗っ込み」の時期で、一年のなかで最も大物に出会えるチャンスです。この時期は、フカセ釣りで撒き餌を効かせながら大型を狙うのが定番です。初夏から夏にかけては、産卵を終えたクロダイが体力を回復するためにエサを活発に食べ、堤防の際で落とし込み釣りやルアーのチニングでよく釣れるようになります。秋は冬に向けてエサをたくさん食べる「荒食い」の時期で、数、型ともに期待でき、さまざまな釣り方で楽しめます。冬は水温の低下とともに深場に移り、食いが渋くなりますが、フカセ釣りで深い棚を丁寧に探ると釣れることがあります。大阪湾や瀬戸内ではチヌ釣りの文化が根付いており、東京湾では岸壁の際を探る落とし込みが古くから親しまれています。
クロダイは、堤防や岸壁、磯、河口、港内など、さまざまな場所にすんでいます。特に、堤防の壁面にイガイやフジツボが付いている場所は、それを食べにクロダイが寄ってくる好ポイントです。テトラポッドの周り、海藻の生えた岩場、河口の汽水域なども狙い目になります。当サイトの掲載地点では、非常に多くの施設や釣り場の情報にクロダイやチヌの名前が載っています。千葉県の木更津沖堤防、東京都の若洲海浜公園、川崎市の東扇島西公園、静岡県の三保や福田漁港、大阪府のとっとパーク小島、兵庫県の尼崎市立魚つり公園や鳴尾浜海づり広場、神戸空港島などがその例です。和歌山マリーナシティ釣り公園の魚種情報には、チヌとあわせてキビレも挙げられています。釣り場ごとに撒き餌の使用などのルールが異なることがあるので、各施設の案内を確認しましょう。
クロダイの代表的な釣り方は、フカセ釣り、落とし込み釣り、そしてルアーを使ったチニングです。フカセ釣りは、軽いウキ仕掛けに撒き餌を組み合わせ、撒き餌の流れに刺し餌を同調させてクロダイに食わせる方法で、乗っ込みの大型を狙うのに向いています。落とし込み釣りは、堤防の壁面に沿ってカニやイガイなどのエサをゆっくり落としていき、壁際についたクロダイに食わせる方法で、関東では「ヘチ釣り」とも呼ばれます。チニングは、底をずる引きするルアーやワームでクロダイを狙う比較的新しい釣り方で、夏の河口や干潟、港内で人気があります。このほか、紀州釣りと呼ばれる、ぬかを主体にした団子にエサを包んで投げ込む伝統的な釣り方や、エサを海底に置いて待つぶっこみ釣りもあります。それぞれの釣り方に特有の面白さがあり、季節や場所によって使い分けることで、一年中クロダイを楽しめます。
フカセ釣りでは、オキアミを刺し餌にし、オキアミと配合餌を混ぜた撒き餌を使うのが一般的です。配合餌には、比重を重くして沈みを速めるものや、集魚力を高めるもの、遠投しやすくまとまりをよくするものなどがあり、釣り場の水深や潮の速さに合わせて選びます。撒き餌は、刺し餌と同じ場所に同じタイミングで届くように打つことが大切で、これを「同調」と呼びます。落とし込み釣りでは、壁面に付いているイガイやカニ、フジツボなど、クロダイが普段から食べているものをエサにします。チニングでは、カニやエビに似せたワームやボトムルアーを使い、海底をゆっくり引いて誘います。紀州釣りでは、ぬかや砂、アミエビなどを混ぜた団子にエサを包んで投げ入れ、団子が割れて出てきたエサに食わせます。エサ取りの小魚が多いときは、硬めのエサに替えたり、撒き餌の打ち方を工夫したりして対処しましょう。
クロダイ釣りでは、潮位と潮の動きの両方が重要です。落とし込み釣りでは、潮位が高い時間帯のほうが、壁面の上のほうまでエサとなる生き物が水に浸かり、クロダイが壁際を回遊しやすくなるといわれています。このサイトの潮見表で満潮の時刻を確認し、その前後の時間を中心に釣りを組み立てましょう。フカセ釣りでは、潮が動いて撒き餌が流れる方向がはっきりしている時間帯が狙い目で、潮止まりの前後は食いが落ちることが多いです。時間帯では、朝まづめと夕まづめが期待でき、夏の暑い時期は日中よりも朝夕や夜のほうがクロダイの警戒心が薄れます。雨や波で水が濁っているときは、クロダイの警戒心が弱まって大胆にエサを食べることがあり、好機になることがあります。逆に、水が非常に澄んでいる日は、仕掛けを細くするなどの工夫が必要です。
クロダイ釣りでよくある失敗は、警戒心の強さを軽く見てしまうことです。水面に自分の影を落としたり、足音を立てたりすると、クロダイは逃げてしまいます。堤防の際を歩くときは、壁から少し離れて静かに移動しましょう。フカセ釣りでは、撒き餌と刺し餌が同調していないと、撒き餌だけ食べられて刺し餌に見向きもされないことがあります。撒き餌の流れる方向を観察し、仕掛けを入れる位置を調整してください。ハリスを太くしすぎると食いが落ちるので、状況に応じて細めのハリスを使うことも大切ですが、細すぎると根ずれで切られるので、そのバランスが難しいところです。また、当たりに対してすぐに合わせると、エサだけ取られることがあります。ウキがしっかり沈み込むのを待つか、落とし込みでは道糸の変化を見て、確実に食い込んだタイミングで合わせましょう。
クロダイ釣りは、堤防や磯、テトラポッドの上など、足場の悪い場所で行うことも多いため、安全対策が重要です。ライフジャケットを必ず着用し、磯やテトラポッドでは、スパイクシューズなど滑りにくい靴を履きましょう。テトラポッドの上は非常に危険なので、無理に乗らないことが一番です。撒き餌を使う釣りでは、釣りが終わったら足元に残った撒き餌を水で洗い流し、釣り場をきれいに保つことがマナーです。撒き餌の使用を禁止している釣り場や施設もあるので、事前に確認しておきましょう。クロダイの大きさや尾数に関する制限は、都道府県の漁業調整規則や海区漁業調整委員会の指示で定められている場合があるので、釣りに行く地域の規則を確かめてください。小さなクロダイは、資源を守るためにできるだけ早く海に戻してあげましょう。
| 場面 | 仕掛け | 理由 |
|---|---|---|
| 春の乗っ込み・秋のフカセ釣り | 磯竿1〜1.5号 5.3m、レバーブレーキ付きリール2500番、道糸ナイロン2〜2.5号、ウキ0〜B、ハリスフロロ1.5〜2号、チヌ針1〜3号、刺し餌はオキアミ | 軽い仕掛けで撒き餌と刺し餌を同調させやすく、細いハリスで警戒心の強い大型に食わせる |
| 堤防の壁際(落とし込み・ヘチ釣り) | 落とし込み竿またはヘチ竿 2.4〜4.5m、落とし込み用リール、道糸ナイロン3〜4号(目印付き)、ハリス1.5〜2.5号、ガン玉B〜3B、チヌ針3〜5号、エサはイガイ・カニ | 壁面に沿ってエサを自然に落とせ、壁際についたクロダイの目の前にエサを届けられる |
| 夏の河口・干潟(チニング) | ライトゲームロッドまたはチニングロッド 約2.1〜2.4m、リール2500番、PE0.8〜1号、フロロリーダー3〜4号、フリーリグ(シンカー5〜10g)+ワーム2〜3インチ | 海底をゆっくりずる引きしてカニやエビに似せた動きを出し、広い範囲を効率よく探れる |
| 紀州釣り(団子釣り) | 紀州竿または磯竿1号 5.3m、道糸ナイロン2〜2.5号、玉ウキ、ハリス1.5〜2号、チヌ針2〜4号、ぬか団子 | 団子がエサ取りから刺し餌を守り、団子が割れたタイミングでクロダイに食わせられる |
| 置き竿のぶっこみ釣り | 投げ竿またはちょい投げ竿 2.7〜3.6m、ナイロン3〜4号、中通しオモリ10〜15号、ハリス2〜3号、チヌ針4〜5号、エサはカニ・ボケ | エサを海底に置いて待つので、夜や潮の動くタイミングにじっくり大型を狙える |
各釣り場のページの「今日の釣り」は、季節の水温の目安に合わせてこの中から釣り方を選んでいます。
日中は深場や日陰に潜みます。朝夕や夜に、落とし込みやヘチ釣りで壁際を探りましょう。
活性が高く、フカセ、落とし込み、チニングなど多彩な釣り方で狙えます。
秋の荒食いから落ち着く時期です。フカセ釣りで撒き餌をしっかり効かせましょう。
深場に落ちて食いが渋くなります。暖かい日の日中に、底付近をじっくり狙います。
1=低調、5=最盛期。本州の太平洋側・瀬戸内を基準にした一般的な傾向で、今月を強調しています。サイズや尾数の制限、禁漁期間は都道府県の漁業調整規則と施設のルールをご確認ください。
掲載している82か所の釣り場でクロダイ(チヌ)を対象魚にしています。各ページで潮見表と気象庁の予報、今日の釣り指数を確認できます。
同じ魚です。関西や西日本ではチヌと呼ばれることが多く、関東では成長とともにチンチン、カイズ、クロダイと呼び名が変わります。よく似たキビレは、ひれが黄色いことで見分けられます。
一年中狙えますが、春の乗っ込みは大型のチャンス、秋の荒食いは数と型の両方が期待できる時期です。夏は落とし込みやチニング、冬は深場をフカセ釣りで狙うのが一般的です。
朝まづめと夕まづめが中心で、夏は夜も狙い目です。落とし込み釣りでは潮位の高い時間帯、フカセ釣りでは潮が動いている時間帯に当たりが増えやすいので、潮見表で確認しましょう。
フカセ釣りではオキアミ、落とし込みではイガイやカニが定番です。チニングではカニやエビに似せたワームを使います。釣り場の壁面に付いている生き物をエサにすると、クロダイの反応がよいことが多いです。